通貨・為替

GDPと為替

国の重要な経済指標であるGDPは、為替にも大きな影響を与えます。

国内総生産(GDP)とは?

GDPとは、その年に国内で産みだされた、モノやサービスの付加価値を、合計したものです。

つまり、その国にいてる人たちの収入の合計でもあり支出の合計でもあります。

その国でいくらお金を生み出してるのかその国の経済的な力がわかります。

国の経済力を計る目安として良く使われ、1年でどのくらいGDPが増えたかを表す「経済成長率」は、たいへん重要な指標になります。

なお、前途したように生産したモノはいずれ誰かに買われますので、その人々の支出合計に等しく、その支出の原資となった給料(分配された利潤)の合計とも同じになります。

生産額=支出額=分配された利潤額の関係が成り立ちますので、基本的に国内総生産=国内総支出=国内総所得となります。

更に、これを家計1つ1つに割り振れば、年収と一致します。

総生産(生産・労働の価値)=総所得(対価としての給料)=総支出(使ったお金)に置き換えれば分かりやすいでしょう。

国内の家計、政府などで生み出された生産・労働の価値を、全て合計したものが、国家のGDPす。

なお、1980年代くらいまではGNP(国民総生産)という指標が使われていました。

これは「国民」が産み出したモノの合計ですので、海外にいる人が作った利益も入ります。

これに対してGDPは「国内」なので、国のなかで作られたものだけが集計対象になります。

ちなみに、日本の場合は債権国なので、海外で生み出したお金>海外に支払うお金となり、この差額分だけGDPよりGNPの方が大きくなります。

また一応追記しておくと、経済指標のなかでもGDPは今年どのくらい稼いだか(フロー)を表すもので、どのくらい現預金や資産を持っているか(ストック)という観点とは別物であることにも留意しておいてください。

名目GDPと実質GDP

額面通りに生産額を足しあわせたものが名目GDPです。

しかし、そのままでは物価上昇が加味されていないので、本当の成長率が分からないという問題があります。

例えば、去年100億円の価値を生み出した会社が、今年は105億円を作り出したとしましょう。

5%も増えたように見えますが、その間に物価が5%上昇していたら「実質」的には増えていないのと同じです。

逆に、去年も今年も100億円しか作り出せなかったけれども、その間に5%のデフレが起きていたら、「名目」では全く伸びていないのに、実質では5%成長したのと同じ事になります。

このような物価変動を計算に入れたものを実質GDPと呼びます。

実際、日本の場合は1990年頃から名目GDPはほぼ横ばいですが、毎年1%程度のデフレが起こっているため、実質GDPは伸びています。

・ 1991年

名目:約469兆円
実質:約462兆円

・ 2010年

名目:約479兆円(+2%/20年)
実質:約540兆円(+16.8%/20年)

<GDPデフレーター>

実質GDPを計算するのに使う物価変動率がGDPデフレーターです。

同じように物価変動を表す「消費者物価指数」などを耳にしたことがあると思いますが、こちらは家計支出に密接な関係がある小売物価だけを集計したものです。

これに対してGDPデフレーターは、経済活動全般を見るための総合的な物価変動指数です。

GDPと為替の関係

教科書的なファンダメンタル分析では

<経済成長率(実質GDPの伸び)が高い国は通貨高>

好況期にあり投資環境に恵まれているので資金が集まります。

また、景気過熱を防ぐ金融引き締め策が予想され、政策金利の上昇が期待できます。

この過程で通貨が買われるので必然的に値上がり圧力がかかることになります。

<GDPデフレーターが高い国は通貨安>

物価上昇は通貨価値下落と表裏一体の関係にあります。

数%程度の適度なインフレであれば、健全な経済だとされていますが、これが二桁になってくると社会不安さえ懸念されてきます。

ということになっていますが、思わぬ動きをするのが為替市場です。

「成長率はプラスだが期待より低かった」という理由で通貨安になったり「成長率が高すぎてインフレ懸念が高まった」とやはり通貨安になったりといった理不尽なことも日常茶飯事です。

GDP(経済成長率)は重要なだけに、指標発表直後は大波乱になることも少なくありません。

危険な相場に巻き込まれるのを避けるため、いったんポジションを解消しておくのも一手です。

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