通貨・為替

株価と為替

夜のニュース番組の終わりには、アナウンサーが「今日は円高の影響で日経平均は値下がりしました」「円が買われて株が売られました」という原稿を読む姿をよく見かけます。

このように株式市場と為替市場は関りあっているので覚えておきましょう。

為替が株価に与える影響

円高になると、海外では日本の製品が値上がりしますので、ほかの国の製品との価格競争力が落ちます。

したがって、輸出をしている企業にとって、円高は業績にマイナスの影響、円安はプラスの影響を与える可能性があります。

日本は、世界に展開している輸出企業が多いため、円高になると輸出企業の株価を中心として市場全体が値下がり日経平均株価は下がります、逆に円安になると株価は値上がりする傾向が顕著です。

中国や日本などの輸出で儲けてる国は自国通貨安のほうが利益は膨らみます。

株価が為替に与える影響

景気が良くなり株価も上昇してくると、投資を目的としてその国に通貨の購入が増加し、高くなる傾向があります。

株高はその国の通貨高につながります。

ただし、為替市場の日本円と日本の株式市場は少し特殊です。

詳細はあとで説明します。

NYダウは米ドル相場に影響大

株式市場は、ご存じの通り企業の株式を売買する市場です。

米国の株式指標であるNYダウ平均株価は、米ドルの相場に大きな影響を与えます。

米国株が値上がりすれば米ドルも買われ、米国株が値下がりすれば米ドルも売られる傾向かあります。

外国為替は、対米ドルの取引が基本ですから、米国の株価が上がれば、米ドル以外の通貨に対して米ドル高となり、米国の株価が下がれば、米ドル以外の通貨に対して米ドル安となる傾向が強いと考えていいでしょう。

為替市場でとくに材料となるニュースや経済指標の発表がないのに市場が動いているとき、往々にして株式市場に答えがあります。

例えば、2013年3月6日の日本時間深夜、米ドル/円は2週間ぶりに94円台を回復しましたが、為替市場に材料はありませんでした。

ところが米国株式市場はダウ平均が史上最高値を更新するなど非常に好調でした。

米国株の上昇が日経平均先物の上昇を誘い、さらに為替市場に波及したのです。

こうした解説は「あとづけ」のように聞こえるかもしれませんが、米国株式市場の動向を注視しておくことで「市場参加者の心理」を推し量ることができます。

米国株が上昇していれば、世界中の投資家は積極的にリスクをとりに行きます。

株や原油、それに高金利通貨や新興国通貨といった、いわゆる「リスクアセット」が買われやすくなります。

「リスクオン」の状態です。

米ドル/円の上昇を狙って短期で取引するならば、米国株が堅調なリスクオンの日のほうが効率はよいでしょうか。

一方で、米国株が不調だと「リスクオフ」となり、投資家は弱気になり、リスクオンで買われやすくなったリスクアセットは売られやすくなり、安全氏の高いドイツ国債や米国債、それに日本国債などが買われやすくなります。

以前はリスクオフでかわれる通貨の代表格が円でしたが、2012年末からの円安相場以降、傾向が変わってきたようです。

リスクオン/リスクオフという単語は相場の解説に便利なため使われることが多いのですが、リスクオンで買われる通貨とリスクオフで買われる通貨は状況により変わっていくものです。

あまり「リスクオン/オフの公式」にこだわりすぎないほうがいいでしょう。

とはいえ、米ドル/円を買っては売り、買っては売りを繰り返す、いわゆるロング回転させた短期取引なら米国株が堅調なリスクオンのほうが効率はいいでしょうし、逆に米国株が不調な日はショートに切り替えたり、米国株式市場の動きを見て「その日のムード」を知っておくことに損はありません。

日本株と為替市場

○日本株が売られるとなぜ円高に?

投資家ならば誰しもが「日経平均株価の上げ幅拡大を背景にした円売りドル買いも見られ・・」と言ったニュースを目にした事があるでしょう。

しかし、特に初心者投資家は『なぜ日本株の変動が円に影響しているのか?』と言うマーケットの本質を知らないままにニュースを読まれている方が沢山いらっしゃいます。

「『日経平均株価が下がった』と言う事は、日本株が売られたと言う事になるから、『日本の先行きにマーケット参加者が不安を感じている』事を意味し、日本の通貨である『円』も売られるはずじゃないですか?」と言うものがあります。

このようなマーケットに対する考え方は、トレーダーだけで無く、一般の多くの方もマーケットに対して思っている事で、例えば英国や欧州それに豪州の通貨と株価の関係では、それに準ずる動きがしばしば散見されます。

しかし、日本株と円の関係は特殊な状況になっており、「日経平均株価が下がると円も売られる」と言う他国の株と通貨ペアの関係をそのまま持ち込むと、酷いしっぺ返しに遭う危険性があります。

一般的な常識や考えが通用しない日本の株そして円の動きについて、その両者は一体どのように連動しているのかを、実際のチャート(値動きを示したグラフ)で確認してみましょう。

まずは、日経平均株価の過去4年間の推移から見て頂きたいと思います。

こののチャートは日経平均株価チャート(4年間)です。

チャートを見て頂けると分かるように、通称アベノミクスと呼ばれる日銀の金融緩和を筆頭とした3本柱の経済改革を引き金に、東日本大震災後に最悪にまで下落した株価が急上昇している事が分かって頂けると思います。

それでは続いて、円を代表する通貨ペアである「米ドル・日本円」のチャートを見て頂きたいと思います。

こののチャートはドル円チャート(4年間)です。

ドル円チャートは、先に紹介した日経平均株価と同時期のデータを切り抜いたものですが、2つのチャートが同じような動きをしている事が分かって頂けるかと思います。

しかし、ここで気を付けて頂きたいのは、「ドル円のチャートが上昇している」と言う事は「円が売られた事」を示し、反対に「下降している」と言う事は「円が買われた事」を意味しています。

鋭い方の中には既にお気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、日本の株価と通貨の関係性は、上のチャートから考えると「相反する動きをしている」、つまり「株価が上昇すれば円が売られ、株価が下降すると円が買われる」と言う状況になっている事が分かって頂けたかと思います。

さらに、先ほどの2つのチャートを1つのチャートに合体させてみると、どれほど日経平均株価と円の関連性が強いかが分かりやすくなると思います。

「株価が上がれば円が売られる、反対に株価が下がれば円が買われる」と言う展開に対して確信して頂けたのでは無いでしょうか?

しかし、ここで「どうして日本の株価と通貨だけが相反する動きをしているのか?」と疑問を持たれる方も沢山いらっしゃるのでは無いでしょうか。

この説明は簡単です。

日本は輸出大国だからです。

円高になれば輸入による原材料費は安くなりますが輸出で海外で商品販売して儲けてる企業の利益は減ります。

円安になれば輸入による原材料費は高くなりますが輸出で海外で商品販売して儲けてる企業の利益は増えます。

つまり市場全体を見渡した場合、円高懸念によって株式が売られる輸出企業もあれば、円高を好感して買われる輸入企業もあるということです。

それなのになぜ、円高になると日経平均株価が下がるのでしょうか? 

それは、日本の輸出企業と輸入企業のアンバランスに原因があります。

業種別・日経平均株価採用銘柄数

1.電気機器(29社)
2.化学(17社)
3.機械(16社)
4.非鉄金属製品(12社)
5.食品(11社)/銀行(11社)
7.自動車(10社)

日本の柱は輸出企業に多いことも、円高が日経平均を押し下げる原因のひとつになっています。

こうして、為替の影響を強く受ける輸出企業の株価が、日経平均を大きく動かす結果になるのです。

ですので日本企業にとっては円安で利益上げやすいので円が売られてるときは日本企業の業績がよく日経平均株価は上がるということです。

でも日本株が好調なら外国からの投資家も日本株を買いたいのでどんどん円高に向かうのでは?

と思うかも知れません。

ここを少し説明します。

外国人投資家が大金を日本株へ投資しており、投資の際には日本円への両替が必要になります。

しかし、両替をしてしまうと為替差損が出る可能性があるので、日本円を取得する際にはFXで言うところの「両建て(売りと買いのポジションを同時に持つこと)」をしています。

これにより、日本株を買う際には円売りオーダーが先物市場で入り、日本株を売る際には両建てを解消させるので円買い注文が入ると言う事です。

ですので外国人が日本株を買うときは円売りにより円安に、日本株を売却するときは円買いにより円高にすすみます。

余談

海外で事業を展開する日本企業は、決済にドルを使っています。

そのため現地の売掛金だけでなく、日頃からある程度のドルを保有していることも多くあります。

円高が大きく進行すると、それらのドル資産を円に換金したときに”雀の涙”ほどに目減りしてしまうのです。

1ドル=100円のときに1億ドルの売上があったとしましょう。

この時点で円に換金すれば100億円です。

しかし、急激に円高が進んで1ドル=50円になると、この売上は50億円になってしまいます。

何もしていないのに、為替相場の変動だけで売上が半減してしまうのです。

このように、円高になると「シェア低下」「売上減少」「為替差損」といった懸念が生まれます。

これらが、海外輸出を主な収益源としている企業の業績に対する不安材料になり、株式が売られることなるわけです。

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