通貨・為替

国債(債券)と為替

投資商品でもある債券。

安定資産として人気があります。

国債は為替に非常に関わりがあります。

「国債の利回りの上昇が為替相場に影響を与えた」と言うニュースを耳にした事はありませんか?

ここでは、為替入門者のために国債の利回りと為替相場の関係について紹介していきたいと思います。

債券、国債とは

債券とは、簡単に言ってしまえば、借金・借入金と同じようなものです。

主なものとしては、国債や地方債、社債なども含まれます。

為替のニュースで「債券利回り低下」と聞いたら、この場合、債券とは「国債」のことを意味します。

国債の仕組みは

国が1000万ほしいときは1000万の債券を発行します(国債)

国債購入者(投資家)は1000万で債券を購入。

購入者(投資家)は国に1000万お金を貸した状態になります。

国は国債購入者(投資家)に1000万と利息を返済しなければいけません。

購入者は債券保有してる限り1000万に対しての利息を受け取れ満期になれば1000万も返済してもらえます。

また債券は債券市場で売買でき国債を売った場合、新たに購入した人が債権者となり債権譲渡することができます。

国が発行する債券が国債で会社が発行する債券が社債です。

為替に関係してるのは国債なので国債の話をしていきます。

債券利回りと債券価格について(重要)

とても重要なことですので、この点だけは今覚えて下さい。

債券価格が上昇した場合、債券利回りは低下します。  

・債券価格上昇⇒債券利回り低下

債券価格が低下した場合、債券利回りは上昇します。  

・債券価格低下⇒債券利回り上昇

覚え方としては、

利回りが安くても、人気があり安心な債券であれば、価格が高くても欲しい人がいる。

リスクがあり人気がない債券なので、買ってもらうために、価格は安く、高利回りで、購入をアピール

※注:国の情勢や政策金利・公定歩合により、この関係性は間違っている場合もありますが、あくまでここでは覚え方として示しています。

○ポイント

為替のニュースで債券について書かれていた時は、価格が上昇なのか、利回りが上昇なのか、一瞬で判断できるようになって下さい。

債券格付けについて

先日、日本の国債の格付けが1ランク下がりましたが、格付け会社というものがあり、フィッチ、S&P、ムーディーズの3社が特に有名ですが、格付けは、信用リスクを判断するための指標で、簡単に言えば、貸したお金を期日に利息(金利)とともに返すことができるどうかを、ランク付けしていています。

ランクの高い国や企業ほど安心だけれども、利息(金利)は低く、ランクの低い国や企業ほどリスクはありますが、利息(金利)は高くなります。

○ソブリンリスク

国債を買ったものの、期日に元本割れで償還される危険性のこと

○デフォルト

実際に貸したお金を返せないこと(償還されないこと)・破たん状態

日本は、以前はAAA(トリプルA)で、一番ランクが高かったですが、国債の乱発、財政収支赤字でどんどんランクが落ちています。

○ポイント

基本的に国債の格付けが下がると、その国の通貨は売られます。

リスク回避の国債買いとは

いわゆるリスクオンの相場(なにかと平和な時)の場合は、より利益を得ようと高金利通貨や、商品、株式などに投資を行っていきますが、テロや突発的な事件が起きた場合は、いわゆるリスクオフの相場で、これらへの投資を一旦止め手元に資金を置いておきたいと思うのは当然のことです。

ただ、現金を手元に置いていても儲けはずっとゼロになってしまいますから、このような時に国債が買われやすい傾向があります。

例えば我々日本サイドからであれば、海外のリスク資産から手を引き円に買戻し日本国債を買っておく。

米国も同様に海外のリスク資産から手を引きドルに買戻し、米国債を買っておく。

これにより、円買い・ドル買い・米国債利回り低下⇒ドル円下落が考えられます。

○ポイント

国債は、一応借主が国家であるということから、一番安心な投資商品と考えられています。(金は除く)

もちろん、格付けの低い国の国債は別ですが・・

米・日・独の国債

国債の利回りが低い国と言うのは、将来的には変化が起こりうる事になりますが、アメリカ・日本・ドイツを代表としている経済的にも国内情勢的にも安定している国が上げられます。

特に上のアメリカ・日本・ドイツ、これらの国の国債の利回りは他国の国債利回りと比べて低い傾向にあり、それは同時に「将来においても目減りする事が無い安全な資産」としての地位を築いている事を意味しています。

そして、この「安全な資産」と考えられている3国の国債利回りの動きに注目する事で、相場全体で投資家の心理がどのような状態へと変化しているのかについて知る事ができます。

①アメリカ・日本・ドイツの国債利回りの上昇

アメリカ・日本・ドイツの国債利回りが上昇していると言う事は、投資家達が3国の国債を売っている事を意味しています。

そして、この3国の国債のように「安全な資産」と考えられているものが売られていると言う事は、投資家達が国債のような利回りの小さな資産では無く、もっと利回りの大きな資産を保有しようと考え動いている事が推察されます。

それは、世界経済が成長していく事への安堵感の現れであり、リスクの高い資産に対して手を出しても「回収できる」と言う投資家の心理でもあります。 

つまり、強気相場、リスクオン相場へとシフトしている事を意味しています。

②アメリカ・日本・ドイツの国債利回りの下降

先ほどとは反対に、アメリカ・日本・ドイツの国債利回りの下降していると言うことは、投資家達が3国の国債を購入している事を意味しています。

そして、他の金融資産と比べ、利子による利益に魅力の無い3国の国債を好んで購入していると言う事は、投資家達が世界経済の先行きに対して不安を感じている事が分かります。

つまりは、「リスクの高い資産を保有したくない」と言う弱気相場、リスクオフ相場へとシフトしている事が分かります。

国債の利回りの影響を受けた動きを見せやすい通貨

特に、先ほど上げた3国の国債の中でも、アメリカの10年国債の利回りについて世界の投資家はその動向に注目しており、その動きによって他の金融資産へ大きな影響を与える事が散見されます。

それは、米(アメリカ)国債が買われると言う事は、市場の不安心理から株が売られている事に繋がり、反対に米国債が売られる事は市場の安心感から株が買われる事に繋がります。

つまり、

・米国債の利回り上昇 → リスクオン相場へ → 株が買われる → 株の影響を受けやすい通貨が買われる

・米国債の利回り下降 → リスクオフ相場へ →  株が売られる → 株の影響を受けやすい通貨が売られる、と言う流れができます。

主に、株価の影響を受けやすい通貨と言うのは資源国通貨や高金利通貨と呼ばれる通貨で、主にオーストラリアドル、ニュージーランドドル、南アフリカランドドルがそれに該当します。

つまり、特にそれらの通貨ペアでの取引を行っておられる方は、国債の利回りに注意をした取引を行う事は、現在の相場を判断する上で非常に大きな材料として扱う事ができます。

FXは通貨ペアによる売買ですが、国債の利回りに注意しながら行うFX取引は全体的な資金の流れから相場状態を判断していくことへと繋がります。

そのため、為替相場での状況判断の正確性を高める事へと繋がるので初心者や入門者は国債相場にも注目をしてみてください。

国債価格の上昇、利回りの低下は通貨安へ

前途しましたが一般的には、利回り(金利)が低下すると国債の価格は上昇し、利回り(金利)が上昇すると国債価格は低下するという逆相関の関係にあります。

つまり、その国が不況に陥った場合、中央銀行は政策金利を引下げて、企業の設備投資などをしやすくさせ、経済を活性化させようとします。

この段階では、利回り(金利)は下がったのですから、利子収入の低下を見越して通貨は売られ通貨が安くなります。

しかし、逆に国債価格は上昇するのです。

よって、国債価格が上昇したというニュースが報じられた場合には、その国の通貨安を連想し、対処することが大切です。

米国債とドル円相場の関係

最後は米国債(利回り)の動きと、ドル円の関係について紹介してみたいと思います。

この2つの関連性について、多くの初心者トレーダーは全く意識することなく取引をしているようですが、実は、意識する事でドル円の取引に大きな参考材料をもたらす事になります。

米国債利回り(注:債券価格ではない)推移とドル円チャートは相関関係を描きやすいです。

実は、米国債と日本国債の利回り差と言うのが意識され、ドル円の動きに影響を与えると言う事は非常に良く有ることで、特にマーケットに売買材料が無い時には特に意識される関連性となります。

それは、アメリカと日本の国債金利差を元にスワップポイントが決められるためで、スワップポイント・マイナススワップポイントの拡大・縮小がマーケットに影響を与える訳です。

また、米国債が先行的に動き、為替マーケットや株式マーケットが追いかけるケースも散見されるので、「なぜ突然ドル円相場が落ちたんだろう?」と言った時に米国債が先行的に動いているケースも有り現状把握には非常に重宝します。

つまり大きな流れとして米10年債利回りが高くなり(米10年債が売られてる)、日本10年債と利回りに差が出るとドルは買われやすくなりドル円チャートは上昇しやすい傾向があるということです。

金利差が拡大すると、より金利収入が見込めるドルが人気になるのでドル高に傾く傾向が強くなるというわけですね。

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