通貨・為替

トルコ通貨危機と為替

今日は仮想通貨のお話を少し離れて今世間を騒がせているトルコ通貨危機について記事にします。

米国の金利引き上げなどを発端に今トルコリラが暴落していますよね。

いわゆるトルコ通貨危機です。

先週、トルコ通貨危機を受けて世界の金融市場はリスクオフ(回避)を意識したものの、米国株は一週間で+1.41%上昇し、ドル円相場もー0.23%の下落と小幅な動きにとどまりました。

これは世界の投資家らがトルコ通貨危機に対して、それほど心配していないことを意味します。

●ダウ平均:週足

●ドル円:週足

普通、金融市場でリスクオフの姿勢が強まると、有事の円が買われやすいのですよね?

でも、今回はそれが見られませんでした。。。

なぜでしょう?

そもそもリスクオフで円が買われる主な要因は、その流動性の高さにあります。

円は取引量が大きいので市場がパニックに陥った時の一時的な避難場所として選好されやすいという特徴があります。

また、それだけではなく日本は対外純資産残高が328兆円と世界一の「対外純債権国」であるので、日本の投資家がリスクオフに動き、世界中に積み上げられた資金を日本に戻せば、大量の円買い需要が生まれることで円高要因となります。

また、実際に資金を日本に戻さなくても、そうした思惑が働くことで「有事の円」は条件反射的に買われやすいです。

しかし、こうした「有事の円買い」が今回は見られず、ドルは底堅く推移しました。

これはトルコ通貨危機が世界の金融市場にそれほど大きな影響を与えないだろうと楽観的な観測が広まっているためです。

そもそもトルコ経済は慢性的な経常赤字国であることから、EUの金融機関に対する資金依存度がすごくて高くなっています。

そのため、トルコ債を比較的多く保有するスペインやフランス、イタリアなどの銀行に危機が飛び火するのでは?

との懸念が高まっていました。

でも、ちゃんと考えてみれば実はそれほど影響は出ないんです。

というのもトルコ債を世界で最も保有するスペインでさえ、国際与信高全体に占めるトルコ向け与信残高の割合が4.5%しかないです。

またユーロ四大国であるドイツ、フランス、イタリア、スペインの平均が2%未満であるため、トルコ通貨危機が世界の金融市場に飛び火するとは考えにくいんです。

そのため、トルコ通貨危機はトルコ固有の問題であり、トルコ経済が危機に陥るだけであって世界の金融市場を脅かすほどには大きくならないだろうとの楽観的な観測が「有事の円買い」需要を小幅にとどめた要因だと考えられます。

とはいえ、たしかにトルコ通貨危機が欧州金融危機に発展しないかもしれませんが、トルコが中東諸国から国交を断絶されているカタールからの支援を取り付けたことに加えて、ロシアやイランといった米国から経済制裁を受けている国々と急接近していることから、新たな地政学的リスクの火種が生まれつつあります。

ですので、トルコ通貨危機は時間をかけて別の角度から世界の金融市場を脅かしかねず、投資家らは注視する必要があります。

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